お兄さんと【完】
改めて私がお礼を言って頭を下げる。


「いや、こちらこそかずさのお見舞いにきてくれてありがとうね。おやすみ。」


「気をつけて帰ってください。おやすみなさい。」


車から降りるともう雨はパラパラと弱くなってて、玄関まで走るとお兄さんの車が発進するのを見送った。


「お前の彼氏?」


横からお兄ちゃんが声をかけてきた。


「違うよ!かずちゃんのお兄さん。どっかの遅刻魔と違って優しいから、ここまで送ってきてくれたの。」


お兄ちゃんが指でクルクルと回していた鍵を奪ってドアを開けて中に入った。

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