紺色夜話
四つの夜
「銀子さんの酔い方、確かめないとな」




勝平の独り言を聞いて、志郎は
「あのさぁ勝平、確かめるんなら酔い方じゃなく銀子さんの気持ちの方じゃないのか?」
と言います。




ごもっともな意見にウッと言葉が詰まる勝平でした。




「お前、本気なんだろ? 今までを考えたらすげぇ微笑ましいし、俺は嬉しいんだぞ」




「先輩、それじゃまるで俺が遊びまくってたみたいじゃないですか」




恨めしげな眼差しの勝平ですが、志郎は怯みません。




「遊んでたようなもんだろう、惚れてもいないコと付き合うってのは」




「そーでしょうねー、先輩は見かけによらず一途ですもんねー」
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