紺色夜話
「ほほう」




何度目でしょう、勝平の冷たい眼差しに真治は目が回りそうです。




「ホントそんなつもりじゃなくて、話しを合わせて……つい。
 あと、だから一目惚れじゃないけど、人柄に……ホレタ……というか、お世話してた時に、そのっ、すっ好きにっ、なっなりました!」




「お世話っ!? 何のっ」




気になるワードに勝平は声が大きくなりました。




「え、だから月森さんが骨折した時、色々たいへんだから。
 会社の送り迎えや、買い物や掃除や……」




「おい、掃除ってまさか……、銀子さんの部屋に入ったのか!?」




過去の事なのに、血の気の引く思いの勝平です。
< 74 / 78 >

この作品をシェア

pagetop