不幸女。

プロローグ

『おかあさん、どこいくの。』

『また、ちがうおとこのひとのところにいくの?』

『おとうさんは、そんなののぞんでないよ・・・・。』



『うるさいわね。捨てられたいの?』


『いやだ、いやだ。』


『じゃあ、ばいばい』


『な ん で』




『おとうさんは、借金まみれだよ』


『でも、わたしをすてないでくれたよ』


『もう、お前に苦労はかけたくないんだ・・・。』



『じゃあな。綾芽。』


(なんでなんで)

(なんでお父さんもおかあさんも、)





(わたしをすてるの)



〔不幸女だ〕

〔不幸女に近付くな〕

〔不幸女は他人を不幸にする〕



(じゃあ、本当に不幸にしてしまおう)



お望みどうりに。
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