10センチメートル☆ロマンス




「お願いだから……

 俺を見ていて」



 言って、私の手をギュッとと力強く握ると、そのまま行ってしまった。












「ふふ…っ な、んなの…」



 笑いがこみ上げてきて……でも、涙も同時に出てくる。



「ふふ…………ぅぅう……」




 ―――見てるよ。


 ずっと蒼くんを見てるのに………





 否定したのは、蒼くんじゃない…っ!




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