10センチメートル☆ロマンス
「蒼くん…っ 待って!」
やっと蒼くんに追い付くと、腕を掴んで引き止めた。
「――触るなっ」
……けど。
掴んだ手を思い切り振り払い、私を温度のない瞳で見上げた彼。
「蒼くん…わ、たし」
喉がカラカラでうまく声が出ない。
蒼くんは感情の無い瞳で私を見つめたまま。
「私、何か気に障ることした…?」
払われた手が、ジンジンする。ソッと、もう片方の手で握るけど……
手よりも、心が、痛い。
少しの間があって、蒼くんが口を開いた。
.