10センチメートル☆ロマンス
佐伯くんは私の睨みつけるような眼差しに一瞬たじろいで……掴んでいた手の力を抜いた。
――瞬間。
私は佐伯くんの腕から抜け出し、蒼くんを追った。
「月島…っ! 待てよっ!」
走る私を佐伯くんも追ってくる。
廊下を歩く他の人たちが何事かと見るけど、気にしてられない。
蒼くんが、行ってしまう。
ハァ…ッ ハァ…ッ
「――蒼くん…っ」
階段を下りて一階に辿り着いたけど。蒼くん達の姿が見えない。
「―――葵…っ!」
下駄箱から外へ出ようとすると、追いついた佐伯くんに手を掴まれた。
.