10センチメートル☆ロマンス



バンッ


「―――もう嫌!

 毎日毎日朝から晩まで勉強ばっかり!

 私だって年頃の乙女だもんっ デートしたいし彼氏に優しくして欲しいし…っ

 甘々ラブラブな日々を送りたいよ――っ!」




 いつだって蒼くんはスパルタ。私のために、かもしれないけど。


 ……ただのドS精神のせいかもだけどっ



 ――でもっ!

 私だって少しは甘い時間だって欲しいもんっ!



 私が参考書を閉じて机に俯いてると、隣から盛大な溜め息が聞こえた。



「……なら、やめればいい」


カタン…


 蒼くんが呆れて席を立った。


 私は俯いていた顔を上げられなくて。足音が遠ざかっていくのをただ、聞いていた。



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