10センチメートル☆ロマンス




「葵さん?」


 今度は本当に、不思議そうな顔で覗き込んできた蒼くん。



「え、と……。

 身長、伸びた?」



 少し目線が近くなった気がした。




 私の質問を無視するようにイスに座る蒼くん。



 あれ…? 気のせい?

 今度は私が蒼くんの顔を覗き込む。




 彼の顔は、真っ赤だ。






「……一応、いま151センチ」




 消え入りそうな声で教えてくれた。




 私は笑顔で、「あと少しだね」と答えた。




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