わたしだけを見てほしいのに
翌日から私は
いつも乗っている電車よりも
1本早い電車に乗るようになった

帰りも
授業が終わると逃げるように
家に帰った

全ては悠斗くんと
顔を合わさないように
するためだった

映奈には
ケンカをしたとだけ言っておいた

映奈は何か感づいたのか
純哉くんから何かを聞いたのか
それ以上は何も聞いては来なかった

映奈なりの優しさなのかなと思った

私は
何をしても何を見ても
何も感じられなくなっていた







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