わたしだけを見てほしいのに
「あ!そうだ。私の彼と直ちゃん
中学時代から仲いいの。
彼と直ちゃん誘って
みんなで今日カラオケでも行かない?」
「え!?カラオケ行きたーい
行こ行こ!」

仁絵ちゃんが急に思いついたように
大きな目をキラキラさせた。
映奈もすかさず便乗する。
2人のテンションは
なんだか止められそうになかった。

「香乃子、行こう。」
「え?いいよ、行こっか。」

私も、カラオケは
しばらく行ってなかったし
ストレス発散もしたい気分だった。

私が返事をすると仁絵ちゃんは早速、
3年生の彼の居る教室へ
取り次ぎに向かった。

このカラオケがまさか
思わぬ展開への第一歩なんて
知る由もない私は、
気楽に残りのカフェオレのパックを
一気に飲み干していた。
< 168 / 202 >

この作品をシェア

pagetop