わたしだけを見てほしいのに
お兄ちゃんは0時近くに帰って来た
3階へ直行するところを捕まえて
フライヤーを見せた

「ねえ、このイベント行くの?」
「なに?あー胡桃のイベントか。」
「うん。私も行きたい!」
「俺、明日出張だよ。友達と行きな。」
「えぇ・・・!?」

がっかりした。
red cafeは、客層が大人すぎて
高校生はみんな行きたがらない。
どうしよう・・・

「redは、みんな
行きたがらないんだよ。」
「じゃ、あきらめなさ〜い。」

ママのモノマネをしながら
階段を上がっていくお兄ちゃん。

私はその背中を追いかけた。

「じゃあ1人で行くから、
胡桃さんに何時頃踊るか聞いて!」
「わかったよ。お前のアドレスも
教えとくよ。」

私は部屋に入っていくお兄ちゃんを
もう1回引き止めた。









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