- π PI Ⅱ -【BL】


「蜘蛛女!貴様、まだヒロを諦めてなかったのか!」


周が怒鳴ったが、刹那さんは周をシカト。


俺を上から下へとじろじろと見ると、


「このスーツケースじゃちょっと小さかったかしら」とかわいらしく吐息をついた。


まてまて…そのスーツケースの中に??


「でも折りたためば大丈夫そうね♪」と言って俺の腕に、自分の腕を絡ませてくる。


「折りたためばって!俺、人間なんスよ!!」


「そうだ!お前は巣に帰れっ!ほらよっ!約束の報酬だ!」


周は刹那さんに本みたいな何かを投げつけ、刹那さんはそれをあっさりキャッチ。


報酬……?


「お前のガードを頼んだときの報酬だ」と言って周が俺を抱きしめる。


「でもあれ、本じゃね?」


「写真集よ♪ヒロのね♪」


は!?写真集!?


「え、どれどれ??あ、これ仕事場のお前じゃん?」と三好も覗き込んでるし!


刹那さんは写真集を開いて覗き込むと、


「あ~ん♪やっぱりヒロってあたしの好みだわ~♪」と体をくねくね。


俺はその写真集とやらを覗き込むことはできなかった。


見たら最後…(以下略)


「って言うか仕事場!ってどーやって撮ったんだよ!」


「そりゃ影からこっそり24時間張り付いてたからな。3ヶ月(もちろんお休みのときにね)掛かって隠し撮りした甲斐があったぜ♪」


と周は得意げ。


24時間…3ヶ月……


あの不可解な視線はてっきり陣内かと思っていたが、



「あの見られてる感はお前だったのかーーー!!」





「もちろん♪」

「ついでにあたしも♪」

「……すまん桐ヶ谷。時々俺も…」




―――3人も!!?





くらっ


俺は眩暈がしてぶっ倒れそうになった。


失せろ!変態どもっ!!!





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