- π PI Ⅱ -【BL】


お詫びのしるし―――気、遣わなくていいのに…


ってか謝るのは俺の方で……




何だか無性に目の奥が熱くなって、俺はわざと音を立てて袋を開けた。


ガサガサと袋を開けると、ふわりと桐ヶ谷と同じ香りが香ってくる。


「この前お前洗顔何使ってるか聞いてきただろ?俺が使ってる石鹸♪」


桐ヶ谷がふわふわ笑って、


忘れようとしていた気持ちが―――俺の中で再び芽吹き、暖かい風に吹かれて、再び花を咲かせようとする。




「俺はサ、三好のこと好きだよ。あ!変な意味じゃなくてね。


友人として。すっげぇ好き」






『今日の血液型占い。第一位は昨日に続いてO型のあなた♪好きな人と距離が縮まりそう☆』


俺はまたも占いの言葉を思い出した。



嫌われたと思ってたけど―――俺、最低なことしようとしてたけど……


桐ヶ谷は忘れたって言ってたけど。


だけど、本当は全部覚えていたんじゃないか―――そのうえで、俺を許してくれたんじゃないか。


その笑顔がすべてを悟っているように見えて、





「俺……俺も好き!」





思わず大声で言うと、桐ヶ谷はびっくりしたように目を丸め、それでもまっすぐに桐ヶ谷を見つめると、桐ヶ谷は表情を緩めてふっと微笑んだ。


「知ってるって」


「いや…」


そんなあっさり言われると…


って言うかこの様子じゃ、やっぱり昨日のこと覚えてたんだろうな…


「俺の言う意味は、そーゆう意味じゃなくて…。桐ヶ谷と同じ感情じゃなくて…」


言った後になって思わず口ごもると、





「知ってるって」






と桐ヶ谷は変わらず笑顔を返してきた。





< 173 / 188 >

この作品をシェア

pagetop