- π PI Ⅱ -【BL】

『Syu Tachibana（橘 周）』



「Your, Bride, take he Groom, to be your lawfully wedded　wife, to have and to hold from this day forward, for better or for worse, for richer, for poorer, in sickness and in health, to love and to cherish; and you promise to be faithful to you until death parts us?”

“新郎となるあなたは、新婦となる彼を妻とし、良いときも悪いときも、富めるときも貧しきときも、病めるときも健やかなるときも、死がふたりを分かつまで、愛し慈しみ貞節を守ることをここに誓いますか？”」


神父の仰々しい言葉にも、


『Yes I do．（誓います）』


はっきりと言い切ったアイツ。


顔に浮かべた笑顔が眩しいぜっ。


何故英語かって？？式を挙げた場所がアメリカのニューヨークだったからだよ。


ってそんなこたぁどーでもいい。


『Hiro Kirigaya．《以下同文》Are You Promise？（ヒロ、あなたは誓いますか？）』


いやいや…待て待て…


俺もオトコで、周もオトコ！男、Ｍａｎ、♂……


どんな単語に置き換えたってその事実は紛れもない現実で！



なのに結婚式ってどうなの！！？






「Ｎｏ――――！！！」




俺は叫ぶと同時にがばっと布団を跳ね除け飛び起きた。


ゆ、夢……？


それにしても―――悪夢だぜ…


しっかし…自分の寝言で起きるたぁ、俺相当疲れてる？？


呆れかえってもう一度ベッドに横たわると、




「何だ…？怖い夢でも見たのか？可哀想にな」



と言う周の声が隣から聞こえて、俺の体に力強い腕が巻きついた。ついでに宥めるように頭を撫でられて、俺は固まった。




Ｎｏ！！



これは現実だ！