なっ?【完】
『ちょっと愁、七穂ちゃんにちゃんと気持ち伝えてるの?』
「うるせぇなぁ、いいんだよ。伝えなくても分かり合えてるから」
七穂が風呂に入っている間に姉貴から電話があった。
『しっかり伝えなさいよ』
「わかってるよ」
『いい?ただでさえあんたは言葉が足りないのよ!?』
「うん」
『女の子っていうのはね、ロマンチックなプロポーズに憧れるのよ』
「うん」
『はい、言ってみる。さんはいっ』
「好きだ……」
『ダメ、そんなんじゃダメ』
「ダメって!!俺がどんな思いで言ってるかわかってるだろ!?」
『わかってるから心配してるのよ。やっと見つけた子なんでしょ?』
「愛してるんだ、誰よりも……」
『だったら尚更ロマンチックに言わなきゃ』
「だから、俺と結婚しよう。彼女にはちゃんと言うから」
『今度しっかり彼女紹介しなさいよ』
「うん、泣くなよ」
姉貴は泣いていた。
幼い頃からどこか冷めて一人でいることを好んでいた俺が唯一の存在を見つけられたことに喜んでいるんだろう。
「心配すんな」
俺はもう一人じゃないから。
「うるせぇなぁ、いいんだよ。伝えなくても分かり合えてるから」
七穂が風呂に入っている間に姉貴から電話があった。
『しっかり伝えなさいよ』
「わかってるよ」
『いい?ただでさえあんたは言葉が足りないのよ!?』
「うん」
『女の子っていうのはね、ロマンチックなプロポーズに憧れるのよ』
「うん」
『はい、言ってみる。さんはいっ』
「好きだ……」
『ダメ、そんなんじゃダメ』
「ダメって!!俺がどんな思いで言ってるかわかってるだろ!?」
『わかってるから心配してるのよ。やっと見つけた子なんでしょ?』
「愛してるんだ、誰よりも……」
『だったら尚更ロマンチックに言わなきゃ』
「だから、俺と結婚しよう。彼女にはちゃんと言うから」
『今度しっかり彼女紹介しなさいよ』
「うん、泣くなよ」
姉貴は泣いていた。
幼い頃からどこか冷めて一人でいることを好んでいた俺が唯一の存在を見つけられたことに喜んでいるんだろう。
「心配すんな」
俺はもう一人じゃないから。