ファンファーレに想いを乗せて


「今さらできないって」


ぽつりと呟いた言葉は、静かな教室に虚しく響き、そんな呟きをかき消すように、グラウンドから楽しそうな笑い声が聞こえてきて、その中に、彼の隣に彼女がいるんだと思うと、窓辺から外を覗くことなんて出来なかった。



楽しそうに笑っている彼女の顔を見たくなかった。

彼と同じ場所に彼女がいるのを認めたくなかった。


< 64 / 224 >

この作品をシェア

pagetop