きみ、ふわり。
憧れのキングサイズのダブルベッドの上、一糸纏わぬ姿の紗恵は白いシーツに良く映えた。
「紗恵……キレイ」
無意識にそんな言葉が俺の口から零れて落ちる。
紗恵は、頬を桃色に染め、コクリと小さく頷いた。
それは多分、同調などではなく『ありがとう』という俺の賞賛に対する感謝の気持ちだ。
紗恵は、言葉を発する余裕などないのだ。
そのことに気付いてしまった俺は、慎重に、出来る限り優しく扱わなければ、という変な使命感に燃える。
全身を丁寧に隈なく愛した後、紗恵の中に入った。
ゆっくり、そうっと。
紗恵は目を閉じたまま表情を少しも変えなかった。
至極穏やかで安らかで。
まるで――
天使みたいだと思った。
天使なんか、もちろん会ったことなどないし存在すら信じていないのに。