きみ、ふわり。


 けどなんとなく、みっちゃんは紗恵のことを常に気に掛けているような、そんな雰囲気を薄っすらと感じ、もしかしたら紗恵は身体が弱くてここの常連なのかもしれない、と自分で勝手に納得した。


「あ、はい。ちょっとだけ。
 ここで少し休ませてもらってもいいですか?」

 紗恵は、細い声をおずおずと絞り出した。

 名演技だ、それは認める。

 けど例えここのベッドを使わせて貰えることになったとしても、みっちゃんが居たらまるで意味がない。
 だって、ヤレない。


「薬は飲んだ?」

「はい」

「吐き気や眩暈はどう?」

「いいえ。
 少し……身体が怠いだけです」

 何この尋問?
 いつまで続くの?


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