心の奥まで覗いてよ【仮面de企画】
いつもならこの場でさっさと帰ると思う。
『急に親から呼び出されて…』とか『急用が入って…』とか適当なイイワケをつけて。
でも……
「大丈夫ならよかった♪
具合悪かったらすぐに言ってね、ヴィオレッタ。」
彼のこの無邪気な笑顔を振りほどけない、私がいる。
あの日あの時感じた、あの、ときめき。
あれは…確かに恋だった。
仮面の中の彼の柔らかで優しい部分に触れたとき、
私の心臓は確かにキュンとときめいて
痛いぐらいに跳ね上がってた。
単純だけれど、私は彼に夢中だった。
彼を思ってドキドキした夜も
メールを送りあった日も
やっぱり同じようにドキドキした。
それに、彼とのメールは予想外に楽しかった。
いつも彼は優しくて、
いつも私を気づかってくれたから。
私はあの一瞬、確かに彼に恋をしていた。
だから嬉しかったんだ。
彼のくれる、言葉の一つ一つが。