断崖のアイ

*狂信の断片



 さらに1年が過ぎ、ベリルは再びアルカヴァリュシア・ルセタ──遺伝子研究所──があった場所に訪れた。

 まだ記憶の中では、鮮明に映し出される幼少時の光景に目を細める。すでに消え去った建物は木々に覆われ、欠片すらも残されていないというのに──

 ベリルは、背後から徐々に近づく複数の気配と忍ばせる足音に眉をひそめた。

 伝わる感覚は決して友好的なものではない。5mほどの距離になったと感じた所で振り向く。

 そこには、ベリルを睨み付けるように3人の男が立っていた。

 いずれも30代近いと思われるヨーロッパ系の顔立ちに、隠されてはいるが武装している事が窺える。
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