彼女はきっと振り向かない


「響は思わねえだろ?」



「うん。だって、お前見てたら大変なのわかるし」




こいつだって自由に振舞いたいはず。
だけど、それができないのは、家柄ってやつだ。

親のために、親の会社のために、最高の息子を演じる。
それが廉に与えられた使命らしい。

好かれるのだって難しいのに、その好感度を維持しつ続けることはもっと難しい。
最終的には本当の自分を偽るしかなかった。

俺が廉だったら、絶対荒れてる。
まあ、今もこんなだけど・・・。





「響になりてえ・・・」


「俺になってもいいことねえよ」



「そうか?委員長あれで、響のこと好きかもしんないし」




「はあ?」




なんか今の発言、嫉妬とも捉えられるけど?








< 6 / 78 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop