あなたたちは私の宝物
『あのさ…』

『ん?』

いつものようにゆっくりのんびり流れる時間

ポテチを食べながら
マサはテレビから目を離さずに答えた

本当は私を見て答えて欲しかったのに…

でも私の気持ちなんて知らないから仕方ないね

私はマサの横顔に話した

『もしかしたら…
もしかしたらだけど、赤ちゃん出来たかも』







すぐにマサからの返答は出てこなかった

何も言わないまま、私に顔を向けないまま
マサはタバコを取って火をつけて、煙を
ゆっくりと吐き出した

私の心臓はバクバクと異常な早さで波打った

『検査薬は?』

ようやくマサの口から出た言葉はそれだった

『まだ。買ってきて今ここにあるんだけど
1人でやれなくて。
一緒に居る時にやろうと思ってたから…』

『すぐにやろうよ』

ようやく私の目を見た

マサの目からは気持ちは読み取れなかった

私は検査薬の入った袋を取り出して
箱を開け、説明書を取り出した

マサと2人で読んだ

『線が2本出てたら、出来てるって事だね』

それを確認してから、私はトイレに向かった

説明書通りの手順で、あとは10分待つだけ

そのまま部屋へ戻って、結果が見えないように
また箱の中へ戻した
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