向こう。そして。
朝。
今日は休日。
なんとなく目を覚まして、ベッドでゴロゴロしていると、部屋の向こうから足音が聴こえてきた。

ん?
若斗もう起きたのかな。
それとも凪君?

「あ、凪君、おはよー!」

部屋を出てリビングに行くと、ベランダの大きな窓の前に立っている凪君がいた。

「お、おはよう…」

少し驚いたように振り向いた凪君は、若斗の部屋着を着ていた。

ブカブカで可愛い!

「若斗はまだ起きてないの?」

「あ、うん。
俺が何となく目が覚めちゃって、部屋出ただけだから…」

「そっか。
じゃあ、あとで起こしてあげて。
若斗、朝弱くて自分じゃなかなか起きないから。」

「ん、分かった。」

薄く笑った凪君を見て、ふと思いついた。

「ねえねえ、二人で朝ご飯作ろう?
凪君、料理すごく上手って聞いたから。
あきに料理教えて!」

「え、えと…
上手いかは分からないけど…
うん、良いよ。
せっかくだから豪華な朝ご飯にしようか。」

「うん!
若斗をビックリさせよう!」

その後は凪君がテキパキと料理を始めて、あきはそれを手伝って、おしゃべりしながら楽しく作った。
完成した料理をテーブルに並べ終わると、凪君は若斗の部屋に行った。

「わーっ!
やめろ舞瀬っ、抱きつくなっ!
起きろ、馬鹿!」

突然に響いた叫び声に、思わず大笑いしてしまった。

朝ご飯、食べ終わったら、どこかに出掛けようかな!
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