かくれんぼ - 大人になりきれない大人たち -
私はハッとして顔を上げる。
「私の為?」
「まあ…。いつか2人のこと養っていきたいし」
正紀はポリポリと顔を掻きながらそう言う。
「もちろん自分の為でもあるけどな。ありがとう、美来」
「え?」
「こんな俺を変えてくれて」
「正紀、本当にそれでいいの?」
「…ああ」
音楽で成功する夢、正紀はずっと大事にしていたのに。
本当に正紀はそれでいいのー?
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「へぇ~。ようやく正紀もマトモになったわけね」