かくれんぼ - 大人になりきれない大人たち -
正紀はその女性を振り切るようにして、こっちのほうに歩いてくる。
そして私たちとバッチリ目が合ってしまった。
「…美来? ゆかり!?」
正紀はかなり驚いている様子。
無理もないよね、突然来たんだから。
「2人とも何してんの?」
「ちょっとそこを通りかかって…」
私がそう言葉に詰まっていると、
再び後ろからあの真紀という女性が近づいてきた。
「正紀、私は諦めないからね!」
「真紀」
「また電話するわ」