かくれんぼ - 大人になりきれない大人たち -


ゆかりの不服そうな言葉に、私は笑顔で振り返る。

ゆかりは私と正紀が別れたことを聞いて、かなり心配してくれてたみたいだ。




「だから正紀とのこと! 別に別れることないんじゃない」

「ゆかりってば、いつからそんなにお節介になったのよ。ねぇ? 大地」

私はそう苦笑して、隣にいる大地に視線を合わせる。

彼は不思議そうに首を傾げてる。

「それより楽しみだねぇ、幼稚園♪」

「またそうやってはぐらかす…」




正紀はこれから遠い土地で頑張るんだ。

私もここで大地と2人、一生懸命生きていかなきゃ。


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