一人鬼ごっこ
『イチャつきに来たんならもう帰れ!』

「わあ!! すいませんすいません」

『すいませんは1回!!』

「……すいませんっ」

 何だこの会話。

『で、何だ聞きたい事って』

 唐松さんは手元にあるコーヒーを一口飲んで言った。

 あ、唐松さんも砂糖入れてない。

「えっと〜……」

 やばい、聞きたい事があり過ぎて何から聞けばいいのやら……。

『ひいじいちゃんはどこですか?』

 俺が悩んでる間に慎が質問した。

 おお!! 慎、ナイス質問だ!

「そうですね! 会えませんか?」

 慎に便乗して俺も聞いた。

『無理だ』

 唐松さん、あっさり否定。

「え、なん……」

『ひいじいちゃんは今入院してる――意識が無いんだ』

 唐松さんは真面目な表情で言った。

「…………すみません」

『なぁに、いいんだよ』

 あれ…………?

「唐松さんテレビで103歳でピンピンしてるって言ってたじゃないですか!?」

 思い出した。

『よく覚えてるなあ、俺マニアか?』

「気持ち悪い事言わないで下さい」

『真顔で言うなよ!! 傷つくから』
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