貧乏お嬢様と執事君!
「で?なんか言いかけた?」
もの問いたげた鷹司の瞳に、カイトは幸せがころがるような笑みを徐々に浸食させ
「いえ。なんでもございません」
と茶を濁した。
別に由姫華の意味深な言葉に本当に意味があるわけでもない。
それにお嬢様には無駄な心配をかけたくもなかった。
「あっそうだお嬢様」
カイトは背に隠していた包みをどきまぎしながら表へだした。
食べるのを中断させ、鷹司が身を乗り出して興味を示す。
照れくささを顔にあらわしながら、カイトは包みを突き出した。
「クリスマスプレゼントでございます」