貧乏お嬢様と執事君!
「お嬢様!バッチを付け替えましたか!?」
「あっ忘れてた。カイトーとってきて!」
「まったく………仕方のないお方だ」
カイトは金色に輝くバッチを持ってき、鷹司の襟もとについている銀色バッチを取り替えた。
鷹司はありがとうと礼を言ったとき、桃色の花びらが風で舞いこんできた。
「もう春ですね………」
カイトが感慨深くつぶやくと鷹司もうなずいた。
「そうだねぇ………もう3年目に入るね私たちの生活」
「もう、ですか………」
相槌を打ったが、カイトはそうは思っていなかった。
石が滝から流されていくようにこの2年は過ぎて行ったようなものだった。
あっという間に残すところ1年なのだ。
カイトは彼女と二人きりの生活を営めるの期間ラスト1年、と解釈している。
それしか考えられない。