有馬さんは宇宙人


 うんぬんと思考を巡らせていると、ふいに有馬さんがぐいっと顔を近付けてきた。


「貴様とは気が合いそうだ、地球人」


 へー、それはどうも。

 どう返せばいいかわからず、というか考えるのもめんどくさかったので空返事をすれば、満足そうに笑って有馬さんは保健室の窓から華麗に飛び出して行った。

 俺は全然有馬さんと気が合う気はしないんだけどね。

 開きっぱなしの窓の横ではカーテンがなびいている。開きっぱなしにするの、くせなんだろうか。


「大変なのに絡まれたな、お前も」

「まあ、飽きたらそのうち離れていくでしょ」

「相変わらずのマイペース野郎め」

「よく言われる」


 さて、今度こそ帰ろう。

 すっかり薄暗くなってしまった外を見て、帰ろうと立ち上がる。


「ていうか、有馬さんて何者?」


 今更すぎるというか。噂ではイロイロ聞くけれど、実際のところ何なんだろうか、彼女は。

 今日分かったことは、地球を守ってるということと、思ったより美人だったってこ。あと喋り方が変。


「ただの宇宙人だろ」


 そう、あと宇宙人ってこと。

 え?宇宙人?

 南さんの顔が普通に真顔だったので、へえ。とだけ返して俺は保健室を出た。

 ……宇宙人?


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