秘蜜の恋人。~先生×生徒~


先生、今。

「敬語じゃ、なかった?」

いつも、先生は敬語で話すのに。

思わず呟くと、「あ、えっと、その」と珍しく慌てた。

ていうか、この先生が慌てるの初めて見た。

いつも余裕って感じで笑ってるから、なんとなく意外。

しばらく言葉をさ迷わせ、先生が言い訳のようにぼそぼそ言った。

「その……家では、素がでてしまって」

「へぇ」

なんだ、それ位、別にいいのに。
でも先生は、本当に後悔しているようで、「今度から気をつけないと」と呟いていた。


でも先生は、敬語じゃない方が人気でると思うのにな。
元々先生って、お兄ちゃんって感じの雰囲気だし、敬語ってよそよそしく思える。

でもそのことがあって、なんとなく緊張がほどけたあたしは、学校と同じ調子で喋れるようになった。


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