掟破りで秘密のキス
え……………………。
その瞳がこちらに
向いたとき。
ほんとに大袈裟とか
そんなんじゃなくて
あたしの中の何かが
動いたと感じた。
吸い込まれそうな……
そんな感覚を覚えさせる程。
しばらく呆気にとられていたのか
端正な顔をしたあたしのiPodを
持った少年は「ねぇ」と低い声を放った。
「これ………。あんたの?」
「……………はい。」
「俺が拾ったのにあんたに返さないといけないわけ?」
「…………すいません。」
「じゃあはい、気をつけなよ。」