ラブ&トラップ

静かなカラオケ

お店も閉店して、すべての片付けが終わった頃。


今日早番だった私と店長も含めて、休日だった人たちも集まった。


徒歩で数分のカラオケボックスに入ると、もちろん林田さんが戦陣きって盛り上げてくれた。


学生の人たちも楽しそうでなにより。


「鈴神さん、お手洗いですか?」


ドリンクバーのグラスも持たずに立ち上がった私に、隣に座っていた学生は首を傾げる。


「あ、ちょっとコンビニ行ってきます。なにか買ってきてほしいものあれば買ってきますよ?」


ちょうど曲が終わって静かになった部屋の中、私の声はみんなによく聞こえたようだ。


「アイス買ってきてください!」


「あ、私もっ」


「なんかスナック菓子食べたーい。」


「私ご飯食べたいんでカップ麺買ってきてください。」
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