ラブ&トラップ

楽しい会話なんてあっという間。


通話の切れたケータイ画面をちょっとだけ眺めて、かずくんの顔を思い浮かべた。


「カップ麺見ながらなににやけてんだ。変態が。」


「っ!?」


声がする方に顔を振り向かせると、そこには顔をしかめた店長。


「な、なんでいるんですか!!」


「俺がコンビニに飯買いにきて悪いかよ。」


「あ、いえ。」


店長から視線を戻して、かずくんが美味しいって言ってたカップラーメンを手に取る。


と同時に私の持つかごの中に違うカップラーメンが入れられた。


「....え?」


「醤油味っつったらやっぱこれだろ。」


店長が勝手にかごに入れたカップラーメンは昔からあるもっともポピュラーな醤油味だった。


< 42 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop