ラブ&トラップ
楽しい会話なんてあっという間。
通話の切れたケータイ画面をちょっとだけ眺めて、かずくんの顔を思い浮かべた。
「カップ麺見ながらなににやけてんだ。変態が。」
「っ!?」
声がする方に顔を振り向かせると、そこには顔をしかめた店長。
「な、なんでいるんですか!!」
「俺がコンビニに飯買いにきて悪いかよ。」
「あ、いえ。」
店長から視線を戻して、かずくんが美味しいって言ってたカップラーメンを手に取る。
と同時に私の持つかごの中に違うカップラーメンが入れられた。
「....え?」
「醤油味っつったらやっぱこれだろ。」
店長が勝手にかごに入れたカップラーメンは昔からあるもっともポピュラーな醤油味だった。