心霊戦隊ハラウンジャー
第一話【悪しき闇を切り裂く真紅の鋭き刃】
「あ……中二男だ」

「本当だ。キモッ」

「ちょっと、聞こえるよー?」

「別に良いでしょ」

登校中、俺を越して行った女の子の大きな声が耳に入って来た。
確か同じクラスの……いや、クラスに友達いないから誰の名前も覚えていない。

俺の名前は、緋龍 迅(ひりゅう じん)。
高校二年。
只今、青春真っ只中……と言いたいところだが、それは俺に備わっている力の所為で言うことが出来ない。
俺はその力の所為で、幼い頃から友達なんて出来たことがない。
……いや、少し言い過ぎた。
昔は、周りの皆も俺の力を信じてくれていた。
しかし、年齢が上がるに従い、それは無くなって行った。
小学校中学年くらいからだったかな……。
もう人間なんて信じない……俺はそう思った。

「よぉ!緋龍、今日も幽霊見えてっか?」

「右目が疼いて仕方ねーんじゃね?」

後ろから走って来たクラスのヤンキーに絡まれる。
せっかく一時間かけてセットして来た髪がグチャグチャにされた。
その時、右目が見えそうになった為、少し慌てた。

「お前、片目だけカラコンして来んのやめろよ」

俺の目はオッドアイだ。
右目だけ真紅の瞳をしている。
決して、カラーコンタクトなどではない。
それに、俺はドライアイでコンタクトは出来ない。
俺はそれを見られるのが嫌で、いつも前髪で隠している。





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