先生とわたし



ピンポンパンポン

≪呼び出し致します。2年の高野千華さん。職員室古河まで来てください。≫


はぁ~。

今回は何を言うんだか…


仕方ない。

行くか。


「千華、どこ行くの?」

「古河の所。」


私といつも一緒にいる、柏倉 琴音。
琴音は、古河がどんな教師なのか、分からない。というより、教師だと認めているのかが謎。


「ふ~ん。行ってらっしゃい。」



急がないと…。
始業前だから、廊下には生徒がたくさんいる。

人の波をかき分けて、職員室へと向かった。





「失礼します。何でしょうか。」



「今回はだな…」


呼び出しをしては、何かと仕事を押し付けてくる。

何で私なのかは分からないけど、1年生の終わりから始まって、2年生になってからその回数が増した。




「高野、聴いてんのか?」

「あっ、はい。」

「聞いてなかったな。このプリント4枚を1組ごと綴じて、クラス毎分ける。何時でもいいけど、今日中に俺の所に持って来ること。あっ、勿論授業優先だからな。」

「分かりました。お預かり致します。」



と。
5クラス×30人分。
帰りの時間が遅くなるのは覚悟だ…。



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