先生とわたし
「「ごちそうさまでした。」」
食後のお茶を出して、話の続きをした。
「高野が怖いって思ってる先生って、ちなみに誰なんだ?」
「えっ…。」
祐チャンだけの時ならまだしも、校長先生が居るのに…。
「本人には言わないで下さいよ?」
「「もちろん。」」
「……須崎先生です。」
言っちゃった…。
「「やっぱりな(笑)」」
「えっ!?」
どうして、やっぱり何だろう…。
「実は、俺たちも怖いんだ。」
「聞いた事ないか?須崎先生が廊下を通る時は、みんなが通路を開けて、お辞儀する。って。もちろん、校長である俺さえも。」
「何となく聞いた事あります。でも、噂だけだと思ってました。」
入学して間もなく学年に広まって、噂だけだと思っていたけど、周りに合わせてしていた。
「あと、監督で須崎先生が入って来ると、教室が一気に静まりかえったり。」
それは、経験してる。
みんな騒いでいた教室が、須崎先生がドアを開けるだけで静かになって、時間前なのに着席する。
これは別に誰かが合図する訳ではなく、反射的に(←失礼)行動してしまう。
「あと、他の授業中に入口を見ると、知らぬ間に須崎先生が居たり…。それって、入口近くに座ってる人たちが可哀想だと思いませんか?」
「まぁな。でも、真面目に授業受けていれば大丈夫なんじゃないのか?」
「教師の方も、プレッシャーですから!!そんな、普段通りの授業なんか出来ません。」
「て。これは、悪口じゃないからな。お互いに秘密にしておくこと。」
「「はい。」」
「じゃあ、そろそろ帰るな。」
「今日はわざわざありがとうございました。気をつけてお帰りください。」
「ありがとう。」
玄関先で校長先生を見送った。