先生とわたし




*




あれからの記憶はないけど、倒れたらしい。




本人に確認するのが一番いいと思うけど、本当の事を知るのが怖くて聞けない。





祐チャンも、理由とか聞いて来ないし…。






「出来た。千華起きれる?」




「うん。」




テーブルの上には、私が使っていた食器があった。



取って置いてくれてたんだ…。





「どーぞ。」




「ありがと♪いただきます。」





煮込みうどんを作ってくれた。



料理ができるようになったんだから、もう私は必要ないね。







……





「ね、祐チャン?」




「うん?」



「今日、機嫌悪かった?」




私にとってはどうでもいい話だけど、原因があるかもしれない。





「あぁ。バレてたか(笑)」




バレるも何も、あからさま過ぎるんだもん。






「…その原因って、私?」





「いや。矢島先生がな…。」



やっぱり、矢島先生か。




「俺、付き合う気ないのにしつこくて…。」





しつこくて、一緒にホテルに行っちゃったの?





「…それなのにホテルに行ったの?」




ただヤリたいだけじゃん。




「は?何言ってんだ?」





何でとぼけるの?




「ホテルから出てくるの見た人居るんだよ。」




「あ~。それ、姉貴と一緒に行った時だ。」




「え、美咲サンに手出したの!?」




あり得ない…。




「出してない。てか、一緒に寝てすらない。」




「じゃあ何で?」




「ライバル企業の偵察に付き合わされただけ。義兄サンは顔が割れてるから、行けないんだってさ。」





そんな理由があったなんて…。



疑った私がバカじゃん。




「…ごめん。何も知らないのに疑ったりして。」




「いや。疑われることした俺が悪いから。ほら、お風呂入っておいで。」




「うん。ごちそうさまでした。美味しかったよ☆」





矢島先生とじゃなくて、ほんと良かった。







………




……







< 462 / 512 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop