先生とわたし




「…千華。起きろ。」


「うーん…。いつの間にか寝ちゃってた。」



琴音も寝ていたらしく、無理矢理起こされて不機嫌になってる。



「ちょうど良く陽射しが入って来てたからな。まもなく着くから、準備してな。」



「ね、祐チャン。お腹減った!!」


「いきなり何言うと思ったら(笑)2人が落ち着いたら、お昼にしよう。」


「うん♪」


智クンは、琴音の機嫌を直すのに手こずっていた。


「琴音、着いたらご飯だって。」


「マジ!?」



私が言うと、琴音は素早く行動を始めた。



「ったく。何で千華チャンの言うことは聞くんだよ。」



「まぁまぁ。ほら降りるぞ。」



山のふもとに近い駅が、学校の最寄駅。

ふもとって言っても、スーパーも住宅街もあるから、ふもとに見えない。




「蕎麦でいいか?」


「あぁ。」



旅館近くのお蕎麦屋さんに入った。




「何がいい?」


どれが美味しいのか、分からない。



「祐チャンと同じのでいいよ。」



「OK。2人は?」



まだ悩んでるみたい。



「先に頼んでいいよ。」



「すいません。冷たい肉そば2つお願いします。」


「同じの2つで。」



「はい。かしこまりました。」



あれだけ悩んで、結局一緒のものを頼むっていう(笑)



「この店、○○っていう所と系列らしい。」


知らなかった。



「そーいや、その店って肉そばの名店だもんな。」



だから肉そばを頼んだってことか。



「お待たせしました。」



他愛もない会話をしていると、すぐに肉そばが運ばれて来た。



「「いただきます♪」」


さすが名店の系列ってだけある。



……



「「ごちそうさまでした。」」




祐チャンと智クンは会計に行ったから、私と琴音は外に出て待ってた。



「楽しみだね♪」


「うん♪」


プライベートの旅行は初だから、楽しみと緊張が入り交じってる。



「お待たせ。旅館、あれだから。」



智クンが指さした先には、老舗旅館があった。




< 471 / 512 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop