先生とわたし

誕生日





あの決着の日以降、矢島先生の姿を見ていない。


辞めたとかの噂も流れないし、祐チャンも何も言って来ないから、出勤はしてると思うけど…。


まぁ、私には関係ないから別にどうでもいいけど。



それから数日経った、7月14日。
祐チャンと付き合ってから、初めての私の誕生日。


ちゃんと祝ってくれるとかで、ホテルを予約してくれたらしい。




「行ってきます。」


「「行ってらっしゃい。」祐チャン、千華のことお願いね。」


「はい。お借りします(笑)」


ホテルってことだから、またお姉ちゃんから服を借りようとしたら、これからも使うでしょ。って言って貰っちゃった。



「…今日も可愛いよ♡」


「ありがとぅ///」


スラッと言ってるように思えるけど、頬はともかく、耳まで真っ赤になってる。ってことは、触れずにしておこう。

普段は言わないから、頑張って言ってくれたんだと思う。



「どこに行くの?」


「秘密。でも、千華が行きたいって思ってる所だと思う。もう少し待ってて。」


「うん☆」


って言って、車はどんどん市街地の方へ向かって行ってる。


私が行きたいって思ってる所…?



………



「到着~」


「ここって、もしかして…。」


美咲サンの会社のホテル?


「そ。降りて。」


「うん♪」


地下駐車場に車を停めて、中に入った。



そこは、パンフレットでは分からなかったけど、凄く豪華でよくTVとかに映る高級ホテルを思わせるような、エントランスホールだった。



「行くよ。」


「う、うん。」


チェックインを済ませ、祐チャンに手を繋がれた。


これから、どんな所へ行くか分からなくて、緊張するけど楽しみの方が大きい。




………



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