森林浴―或る弟の手記―




次の日、森の管理もしていた庭師の男が解雇されました。


その男は中年の太った男で、何処か汚ならしい雰囲気を纏ったその男が、私は苦手でした。


たまに庭で顔を合わせても、私は挨拶すらしなかった程です。


その日、佐保里姉さんは狂ったように笑い、そして泣いていました。


空っぽになった子宮を抱えながら。







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