Honey×Kiss*幼なじみは王子さま
たくさん――…
たくさん何を思ってきたんでしょうか?
「愛生だって楓に想われてたことなんて知らなかったでしょ。それと同じで俺だって人並みに恋をするし、好きな女の子だっているんだ」
「………」
「だから愛生は知らなくていい。俺は俺なりに恋をしてるから」
ボソッと呟いて背中を向ける梓くんに言いたい言葉はなくて。
ただ涙が溢れるばかり。
何でも知ってると思ってた彼の心情を実は知らないでいて、当たり前のように恋をしていたと言う事実を、本人の口から聞かされ心はズタズタ。