Honey×Kiss*幼なじみは王子さま

梓くんに抱きしめられてます……。



よく見ると化学室。薬品の匂いが鼻を刺す。


それとは裏腹に梓くんの…男の子の匂いも。


くっついた体が熱を帯びてくらくら。


腰と頭をぎゅうっと抱かれて苦しい。



「…はうう」

「黙ってて」



耳元で掠れた声が響いてくすぐったい。


さらさらする髪が首元に時々かかってくすぐったい。


もっと重要なのは……。



心臓がドキドキしてます。



こんな状況にも関わらず、胸が高く鳴って聞こえたらどうしようと言う心配ばかりが心を乱した。


足音が近づくにつれ梓くんは、もっと強く抱きしめる。


遠のいたかと思い私がため息をついた時。


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