Honey×Kiss*幼なじみは王子さま
「おい大丈夫か?」
「……大丈夫れす」
先生に優しい言葉を掛けてもらったけど、それすら同情にしか聞こえない。
返答も噛んでしまいました。
ゆっくり立ち上がってスカートに付いた埃を払い恥ずかしさの余り赤く染まった顔を隠し余計、俯いて歩き出す。
やっとの事で、自分の座席に着くと隣の席に座る美奈子(ミナコ)ちゃんが心配して声を掛けてくれた。
「大丈夫?顔から落ちてたけど…。痛い所とかないわけ?」
「はい、大丈夫です。ちょっと痛いけど」
「そりゃ顔から落ちたら痛いって。数学終わったら保健室行く?」
「保健室行くほどの怪我ではないので」
続きを言おうとしたら先生の声と私の声が重なって。
次の瞬間には教室が黄色い歓声に包まれてた。