Honey×Kiss*幼なじみは王子さま
気を直して自分も鞄を持ち、さあ帰りましょうと足を一歩進ませた時
パチッ
鋭い視線を後ろから察して、無意識のうちに振り向いたら
「…楓くん?何か」
――何か用でもあるんですか?
「いや、別に」
楓くんと一直線、真っ直ぐに視線が交差した。
私の言葉を上から重ねるように遮ると、いつもみたいに無愛想な口調で返し視線を左へずらす。
はひ?
私の顔になにか付いてる…とかでしょうか?
頬をヒヤッとする手で触って確認したけど。
…付いてないです。