アナログ三姉妹


「でも、作り過ぎたかも」


その苦笑いは、姉の顔をしていた。


「つい癖で多く作っちゃうのよね」


「あいつが1番、食いしん坊だったからな」


「作りがいがあったもの」


二人は苦笑いを共有する。


いつも間に居た、


そして居なくなった、


末っ子の妹。


ふと寂しさがよぎるが、


幸せに巣立ったのだと頷き合う。


「けど、きっと来るだろ?怪獣・タッパンが」


「まーね」


説明しよう。


怪獣・タッパンとは…。


嫁いだにもかかわらず、しょっちゅう、タッパー片手、いや両手、いやいや、抱えきれないほどのタッパーを持ち込み、姉の手料理をかっさらっていく化け物である。


「洋風のお節も作ったから、れいちゃん喜ぶかしら?」


ひかりの問いかけに、


ピンポーン♪


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