アナログ三姉妹


「やだお兄ちゃん、鳴らしたって出るわけないじゃない」


「あ、そっか」


頭を掻き掻きする兄だったが、


「はーい‼」


中から声がしたかと思うと、


ガチャ。


「あ、いらっしゃい」


「いらっしゃいって…開いたのか?」


「それがまだなの」


「まだって…れいちゃん、閉じ込められたんでしょ?」


「は?」


「トイレが開かないって」


「そうなの‼なにやっても開かないんだもん‼早く‼」


さっさと中に入っていく。


兄姉は互いの顔を見合わせては首を傾げ、


「れい、お前ふざけてるのか?」


「私は真面目です‼ふざけてるのは、このDVDデッキ‼」


「DVD?」


「ほら、トイレが開かないじゃない‼」


れいがそう指し示すテレビ画面には…。


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