アナログ三姉妹


「れい、ちょっと待ちなさい」


玄関で呼び止められ、


抜き足差し足をピタリと止める。


「何処に行くんだ?」


「ど、何処って、買い物」


「誰と?」


「実亜ちゃん」


「そうか」


ようやく表情が柔らかくなった。


お兄ちゃんは実亜ちゃんの名前を出すと安心する。


けど本当に一緒に買い物するし。


ま、買い物だけじゃないけど。


「買い物だけじゃないんじゃないか?」


「…」


「もう、れいちゃんも年頃の娘なのよ。デートくらいするわよ」


姉の助け舟が到着‼しかし…。


「デートしてムフフなことくらいやんなきゃー」


「な、なんだムフフって‼なんだ‼」


あえなく船は沈没したが、


その間に家を飛び出した。


さささ、コンパでござーい‼



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