アナログ三姉妹


家電量販店。


子供から大人まで、ドキドキワクワクする空間。


真新しい家電に目移りし、思わず時間を忘れるだろう。


だが三姉妹は違う。


「私、お腹が痛くなってきた」


ひかりが呻く。


本屋じゃあるまいし。


「なんだか体が痒い」


れいがボリボリする。


じ、蕁麻疹か?


「ちょっと休憩してしてからにしようか?」


ジュースを買って妹たちを気遣う。


三人にとって、楽しい場所も未知なる世界。


「でも、テレビが壊れたんだもんね。れいちゃん、行くわよ」


「う、うん…」


「お姉ちゃんの手を離さないのよ‼」


「うん‼」


店内に入っていく二人。


あ、あの…。


お兄ちゃんの手、空いてますけど?






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